ポアイズム

今の職場にやってきてもう2年の月日が流れたよ。不慣れな愛想笑いを続けるには長すぎる時間だったね。もう限界っす。これ以上働けないっす。右のおっぱいを揉むと左の乳首からあたたか〜い牛乳が出てくる篠崎愛型のミルクサーバーを発明して大儲けする夢を叶える為にバリへ飛んで毎日「あっちー」とか言いながらダラダラ暮らしたい。俺には多分そういう時間が必要だし、むしろそういう時間しか必要ないんじゃないかな。君もそう思わない? じゃあセックスしよっ?

荷物をまとめて空港に行って「BARI」って書いてある飛行機に適当に乗ればたぶんバリに飛べる。浅黒い入国審査官がこちらの顔も見ずにつまらなそうに聞いてくる。「サイトシーイング?」俺は答える「ノー、コスミック・インベンション!」審査官は両眉を上げて口笛を吹くと「ボン・ボヤージュ!」と叫びながら盛大な音を立ててハンコを付いた。俺はコンピューターおばあちゃんを歌いながら空港のゲートを出る。そこには見渡す限りの陸・海・空・ヤシ・恵まれない子供たち・薄汚れた娼婦たち・それを食い物にしている酒臭い男たち。うん、まあ、まわれ右しちゃうかな〜やっぱし!

じゃあ今日はマジでひくから笑えないのでツイッターでもあまりつぶやく事のない上司について紹介しましょう。まず歳はね、よくわかんないけど65歳くらいのじじいです。背が小さくて小太り。顔に吹き出物がたくさんあって、まあ、ここまでの条件でだいたいの人は生理的に受け付けないんじゃないかって思うけど、そんな外見です。
それでこの人が、人っつーか、じじいが、まあ〜スケベで仕方ないんだよ。スケベな事が大好きでたまらないの。そりゃまあ俺だって大好きだけどおまえには負けるわーって思っちゃう。60過ぎまでエロいモチベーション維持できる自信ないもの。ハートはともかく体がついてこない。絶対にそうなる。俺にはわかる。現在進行形でそうなりつつあるから。

だからまあ、この際スケベなのはいいよ。でもそれを人前で出してこうっていうおかしな気概があるのが問題でさ、突然、AKBやらももクロやらのファンである事をカミングアウトしてきたり、「昔はトルコ風呂に通ってた」みたいな話題をぶん投げてくんの。そのくせモラリストを気取りたいのか、出会い系なんかの事件がニュースになると「初めて会った人とセックスするなんて考えられないよ」とか真顔で意見してくるからびっくりする。初めて会った人としていいのはマットプレイまでなのかーって。そんでこのトルコ帰りのモラリストが、みんなの目を盗んで職場でちょいちょいXVIDEOSを観賞してるんだよ、きもちわるいだろ? そんなのが普通に見れてしまうPC環境の職場って時点で察して欲しいところではあるんだけど、それにしてもどうなんだって。

でさ、こないだその上司と二人で残業してたらなんかおとなしいんだよ。横眼で様子を探ったら、椅子に浅く座って、背筋ピーン!と張って、左手をグーにして膝に置いて、右手をまっすぐマウスにおいて、微動だにせずものっすごいスケベな顔でパソコンとにらめっこしてんの。俺の席からじゃ上司のパソコンに何が映ってるかは確認出来ないんだけど、誰だって「はは〜ん」て思うよね。そもそも俺が残業してんのもこの上司の尻拭いなのであって、なにをかヌラヌラしとんじゃおまえってなるじゃない。だからちょっと懲らしめてやろうと思ってさ、椅子ガターン!いわして急に立ちあがって上司の席の方へ向かってくふりしたの。そしたら上司がビックーン!てなって、背筋ピーン!左手膝、右手マウスで座ったの姿勢のまんま、少し飛んだんだよ。それまで座ったまんま飛べる人って麻原彰晃しか知らなかったからこれには驚いたね。でもそれでなんだか腑に落ちた。ああ、こいつは上司なんかじゃない、尊師なんだって。